【虹色の馬と人】名馬はことごとく悍馬(かんば)より生ずる

悍馬(かんば)とは、気性が荒々しく、御しにくい馬のことです。
「名馬はことごとく悍馬より生ずる。」とは、伊達政宗公の言葉なのだそうです(山岡荘八著「伊達政宗」講談社)。

日本の中世政治史に詳しい、京都大学名誉教授の上横手雅敬教授(文学博士)によると、源平合戦の頃、武士達に尊ばれたのはおしなべて、皆、「悍馬」だったとのこと。

気性が激しい、個性が強い… 
当時の侍たちは、そんな馬を敬遠するどころか、逆に尊敬し、愛し、信頼関係を構築して、愛馬に自分の命をあずけて戦場に赴き、侍たちの家族は、自分たちとともに暮らした「馬」と一緒にいる自分の父の、夫の、息子の無事を信じることができました。

「調教が入りにくい。」などという言葉とは全く無縁の世界ですね。
「調教が入りやすい。」と言えば、「素直」⇒「普通」⇒「平均的」⇒「育てやすい」。一概には言えないでしょうが、つい、そんなイメージをしてしまいます。

調教が「入らない」のではなく、馬の「個性」と向き合っていたのです。
「枠に収めよう」としていたのではなく、まったくその反対で、「馬の本質」を「引き出そう」としていたのです。

東京国立博物館所蔵の重要文化財「牧馬図屏風」などを見ても、「あぁ、大変だなぁ。」とか「昔の人は凄いなぁ。」と一目で感じられる様子が描かれています。
人々が皆、イキイキと、そして真剣に馬に向き合っている姿が凄いのです。

「名馬はことごとく悍馬より生ずる。」 と言っても、額面通りに、ただ「荒々しくて、御しにくい」ことだけを考えるのはすこし早とちり。

おとなしくて、やさしいけれど、ここ一番で勇敢さを発揮する馬の話は枚挙にいとまがありません。
鈍重で、のんびりさんの馬が、ここ一番の時に、その秘めたパワーを発揮したという事例も沢山あります。
いつも寝転んで昼寝して、草ばっかり食べて、人から見放された小さな競走馬が、大きくてたくましくて、負け知らずのエリート馬を、一対一のマッチレースで何馬身も差をつけてぶっちぎりで圧勝したという事例もあります。

タロウとルーカスも、個性豊ですよ。
タロウは、純粋でまっすぐで、駆け引きがまったくと言っていいほど通じません。でも人の「嘘のない心」を裏切ることはありません。
ルーカスは、フェラーリのような荒々しさとパワーを秘めているのに、そのパワーを自ら出そうとはしません。いつでも「人の心」を受け止め、受け入れて、寄り添ってくれます。
食い意地が張っているのはルーカス。
出された分を、きちんと食べて、その後あまり執着しないのはタロウ。
ちょっとしたことにビビるのはルーカス。
ビビったルーカスにビビるのがタロウ。
個性って、どんどん見えてきます。
大雑把に「こんな性格」などと言えるものではありません。本当にいろんなところが見えてきて、それこそ「!」と「?」の連続です。

ふと、考えてしまいます。
もしかしたら、昔の人々は馬並みに個性が多様で、たくましくて、「!」と「?」に敏感で、言語で認識するよりも、心で「感じる」ことの方が多かったのではないかと…
生きることに真剣に向き合うと、個性を抑えるのではなく、その個性を洗練して生き抜くことが必然的に求められるのではないかとも思えてきます。
「牧馬図屏風」に描かれている個性豊かな馬たちと、その馬たちに向き合っている人々の様子に思いを馳せると、その馬たちに関わった人々の個性の多様性が見えてきて、そして人々の多様な個性が受け入れられるだけではなく、尊ばれていたということも見えてくるのです。

「名馬はことごとく悍馬より生ずる。」

なんか、おおらかさと温かさを感じる、馬にも人にも優しいことばです。

タロウさんの欲求不満

これまで「里山学校」にいらして下さった皆さま。
「星とおひさま葉山里山学校」の皆さま
「馬の学校」の皆さま
もちろん、これから!と興味を持って下さっている皆さまも!

最近のタロウさんの話題をひとつ。

最近、タロウさんはよく人に噛みつきます。←さらりと書くようなことではないですが💦。
1月の里山学校でも甘噛みされてしまった子どもたちが少なからずいらっしゃいました。
痛い思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

昨年秋ごろは、とても穏やかで、人懐っこかったタロウさん。
ご近所の皆さまからも、
「最近、タロウちゃんの顔つき変ったよね。穏やかになったよね。」とか
「前はもっとわんぱくだったよ。最近、落ち着いているよね。」などと言われ、これも皆さまから愛情を注いで頂いたおかげとても嬉しく思っておりました。

2017年、初めて葉山に来たばかりの頃のタロウは、愛嬌があって、とても優しいけれど、人のパーソナルスペースにガンガン入ってきて甘噛みする、たまにちょっとやさぐれた雰囲気を見せる馬でした。

タロウが葉山に来た最初の年、ある馬術家がお見えになり、その際、その方がタロウに二の腕を噛まれてしまいました。
タロウは私たちが馬場で立ち話している最中に、またずかずかとその方のパーソナルスペースに入っていって、また噛みました。
その瞬間、その方は間髪を入れず、タロウの右顎に強烈なフックを一発放ち、「この噛み癖は、馬の悪癖の中でも一番悪い癖。あなたのリーダーシップがたりない証拠。」と言われてしまいました。(ショボン…)

その方はよほど腹が立ったのか、フックを放った後もボクシングのようなファイティングポーズを解かず、「また来たらもう一発お見舞いするぞ!! 人間を舐めるなよ!!」とのボディランゲージ。
タロウは白目を剥いて、顎をあげて鼻息を荒くし、敵意丸出しでした。

私は、この光景に少しショックを受けましたが、
「なにも馬を殴らなくても、『人を噛んではいけないよ。』という意思が伝われば、馬は噛みません。噛まれてから懲罰を与えるよりも、馬を良く見て、自分が圧迫感を感じるくらいのパーソナルスペースに入って来そうな時点で、『それ以上接近しないで。』と教えてあげればいいだけです。馬は理解しますよ。」
と言いながら、まだ興奮して白目を剥いているタロウに、「噛むのはノー。」とボディランゲージで伝えました。

そして息を吐き、言葉にならない私自身の「気」を静めて、「この人のパーソナルスペースから離れなさい。」と、これもボディランゲージで静かに優しく伝え、タロウは素直にブルルゥと息を吐きながら、その方のパーソナルスペースから出た行ったという出来事がありました。

その時感じたのは、その方が私を、そして私たちと暮らしているタロウとルーカスを「評価しようとしていたのかもしれない。」ということでした。
タロウは純粋真っすぐ君ですから、もっと何かを感じていたのかもしれません。

でも、タロウにフックを放ったその方は帰り際に、「ちょっと自分の馬との関わり方を考えてみる。」とチラッとおっしゃってくださったので、私はとても嬉しく思いました。

話は今にもどります。

私も最近のタロウの様子の変化がちょっと気になっていました。
でも、以前のタロウに「戻った」という感じではありません。
それは明らかです。
昨年秋ごろからの、あんなに穏やかに、人との関わり合いを、心から喜んでいたタロウは何だったのか…

「何か」あるのです。
タロウが言いたいことが… 
ヒトにわかってほしい「何か」が…
そのメッセージはいったい何なのか?

そこでグランドワークの先生からのアドバイス。
「タロウは自尊心と自立心の塊で、かつ頑固。方向変換を何度もやってみては? パニッシュ(懲罰)なしでね。 時間がかかるかもしれないけれど。とりあえず、とにかく方向変換のトレーニングを沢山して、タロウといろんなやり取りをすること。そこからタロウが何かを思い出したり、あなたが何かに気づくかもしれない。」とのことでした。

方向変換はいつもやっていることですが、タロウさんに改めてきちんと、トレーニングとして付き合ってもらいました。

リードをつけて、左に。はい、停止。そしてすぐ右へ。これを繰り返します。
今度はリードを外して速足で右回り。はい。停まって。
はい。今度は左回りで行くよー!

タロウさんと一緒に、方向変換のグランドワークをしているうちに、私は気づきました。
タロウさんは私と共に「今、ここ、自分」。
「心」と「体」が一致した会話を楽しみたかったのではないかと。

無心でタロウさんとグランドワークをしているうちに、ふと思いました。
もしかしたらタロウさん、あなた、これを「子どもたちとやりたいんだぁ!」ってこと??

おそらくタロウさんは、皆さまとのもっと深い、そして具体的なコミュニケーションを求めているように感じました。

次回から里山学校 (初めてではない方) や馬の学校でホースハーモニーを経験された皆さまへの説明とやり方が、もう一歩深いところへ行かざるを得なくなりました。

今までは「心」をメインにやって来ましたが、次回からは「心」と「体」を一致させる方向でホースハーモニーを進めていく予定です。どうぞお楽しみに🐴。

タロウさんからのギフトでした。

殻を抜けた!~馬の学校にて~

毎週土曜日に開いている「馬の学校」。
いつもの生徒さんたちが今日もタロウとルーカスと心を通わせます。
今日は、最近少し気になっていたタイセイ君(小6)のことについて。

タイセイ君 は、私がいつも口すっぱく言っていた“深呼吸”を、「心呼吸」と「信呼吸」と命名してくれた生徒さんです。
詳しくは【馬と人の関係】心はあるけど無言でいること(2018.10.16)ご参照ください。

先週、タイセイ君は長鞭を使ってタロウを走らせる練習をしましたが、タロウさん、まったく走ろうとしませんでした…。 残念なほど、微動だにせず。
(昨年の夏期集中講座「タロウくらぶ」で、大塚先生のご指導でマスターしているのですが。)

今日は、ルーカスと引馬で一緒に歩く練習をしました。
いつものように、ルーカスと心を通わせるプロセスから入ります。
でもルーカスは…⤵

腰が引けてるタイセイ君と、緊張気味のルーカス
(目がちょっと吊り上がってる👀)
ついに突き放すルーカスと、のけぞるタイセイ君

なんだか、二人の心がすれ違っています。
ルーカスの反応にタイセイ君はちょっと意外な気持ちだったかもしれません。
この後、やり慣れているはずのリーディングというグランドワークを始めましたが、ルーカスは頑として動こうとしません。

頑なに指示を拒んでいるかのようなルーカス。
ウ、ウゴカナイ…(-_-;)

あまりにルーカスが動こうしないので、私が途中でリードを変わりました。
私がリードを取った瞬間、ルーカスは、安堵したかのように深く息を吐きました。 ”ふぅ~”って。

再びタイセイ君にリードを渡しましたが、ルーカスは鼻を前に出して指示を拒み、タイセイ君のリードの張りがますます強くなって行きます。
ホースハーモニーは「力(パワー)」を使いません。
「心呼吸」と「信呼吸」 のタイセイ君、基本を忘れてるかな?

リードの張りを強めるタイセイ君と固まるルーカス

二人の心のすれ違いをみて、ちょっと休憩をはさみました。
休憩と言っても、基本中の基本、ルーカスの馬房掃除です。

基本に戻るタイセイ君。
「厩七部に乗り三部」

私:「『厩七部に乗り三部』っていうのはね、厩の掃除、飼い付け、とにかく馬の命に直接関わることで、馬に心を向けること。馬と心が通じたら、「乗り」は三部でも十部並みだということかもしれないね。心が通じたら嬉しいもんね。」

私:「ねぇ、さっき途中で私がリードを代わった時のルーカスの様子に気がついた?」
タイセイ君:「ぶるぶる言って、深く息を吐いた。」
私:「さすが!よく気づいたね。あれはルーカスのどんな気持ちかな。」
タイセイ君:「僕からリードが離れて緊張が解けた。」
私:「そうだね。よく分かったね。タイセイ君、ルーカスを緊張させてたね。なんでだろう。」
タイセイ君:「・・・」

タイセイ君はすでに気づいています。これ以上、何も訊く必要はなし!

私:「もう一回やる?」
タイセイ君:「やる。」

歩調があって… 右に。
2人⁇の脚がシンクロしてる!
左に。
二人の息がぴったり!!
ルーカスもさっきまでとは雰囲気が違いますね!

もう何も言うことはありません。

タイセイ君の「心の不在」を、ルーカスはきちんと受け止めていました。
タイセイ君の「心の晴れ」も、ルーカスはきちんと受け止めました。

後でタイセイ君に、「今、どんな気持ち?」と聞いたら、
「ん~、なんか殻から抜けた!って感じ。」という言葉が出てきました(o^―^o)。

わかるわかる。そう、そんな感じだよね。
みんな同じだよ、「馬と共に遥かな旅」は。

いつもありがとう、タイセイ君。

※本ブログに掲載させて頂いているお子さまのお写真とお名前掲載は、ご家族様のご了承を頂いております。感謝申し上げます。

大賀 野のはなカウンセリングセンター

今春4月からオープン予定の、「星とおひさま葉山里山学校」のスクールカウンセラーとして、大賀たえ子先生をお迎えすることになりました。
大賀先生はカウンセリングの他にも、子どもの育ちに関するご講義もしてくださる予定です。

【ごあいさつ】
・・・・・・・・・・
なぜ、衣服のことで思い悩むのか。
野の花がどのように育つのか注意してみなさい。
働きもせず、紡ぎもしない。
しかし言っておく、栄華を極めたソロモンでさえ、この花のひとつほどにも着飾っていなかった。(マタイによる福音書より)
・・・・・・・・・・

 皆さま、はじめまして。「大賀 野のはなカウンセリングセンター」センター長の大賀たえ子と申します。
 カウンセラーとして勉強を始めた当初から、主に子どもの成長や発達の問題にかかわって参りました。それを契機に、本格的に人の一生の問題・悩みに向き合うべく、子どもから成人の精神医学と並行し、一貫して精神医学の研鑽に努めて参りました。
 さらに1995年より、かねてから関心を寄せていました脳科学の分野と、人の成長や発達及び精神とが深い関係があることを認識し、脳科学を基本においた成長や発達、精神の在り方についても研究を重ねて参りました。

日々のカウンセリングの中で、人の成長や発達、障がいとは何か、精神や脳の働きとは何か、家族とは何か、社会とのかかわりとはどのようなことかを考えることが実に多くあります。

私の活動の前半は研究と教育現場を並行し、後半は研究・実践を生かしたカウンセリングを行ってまいりました。

その中では、いつも明らかな答えが出るばかりではありませんでした。

教育学、精神医学や脳科学という科学的な考え方と、科学では処理できない現実的な生活の様々なこと。

そしてクリスチャンとして、すべてに神様から愛を頂いていることに深く思いを致し、少しでも皆様のおそばにいられますよう努めて参りたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

2019年1月20日
大賀 野のはなカウンセリングセンター センター長 
大賀たえ子

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オキシトシンタッチ!やってみました。

馬の学校、久しぶりのブログアップです。
毎週土曜日に実施している馬の学校。
この1年間、小2から小6の子どもたちがタロウとルーカスと心を通わせ、馬の体と心のことを少しずつ学んできました。
グランドワークを通じて、タロウとルーカスを「観察」し、「感じ」、「察し」て、そして「伝える」経験を積み重ね、今ではみんないっぱしのホースハーモニスト。

 今年初回の馬の学校のテーマは、「オキシトシンタッチ」
オキシトシンタッチとは、愛情ホルモン、幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」がタッチする方にもされる方にも分泌され、結果的に心身が癒され、幸せな気持ちになるタッチです。

「皮膚は「心」を持っていた!」(著者:桜美林大学リベラルアーツ学群教授山口創先生)という本に詳しく書いてあります。

飼い犬と飼い主が触れ合うと互いにオキシトシンが分泌され、幸福感に満たされるという研究成果が注目されています。
葉山ハーモニーガーデンのアドバイザーであるジアスセラピストスクールの西村校長先生がなさっている犬や猫に対する実験で、かなりのデータが蓄積されたとお伺いしたのが2カ月前。
それからハーモニーガーデンでもタロウとルーカスに試してまいりました。

その効果は明確で、タロウもルーカスも「オキシトシンタッチ」をしているととてもリラックスします。

子どもたちにオキシトシンが分泌される手のひらの当て方、擦り方を簡単に説明し、相互に練習しました。

最初はまじめにやってましたが、相手を変えたらとたんにオチャラケモードに(泣)

「オキシトシンタッチ、どうかな? 幸せな感じになる?」
「うん。なる。」
「じゃぁ相手を変えてやってみよう。」

とたんにオチャラケモードになり、変顔連発の子どもたち。

じつは改まってオキシトシンタッチという以前から、馬の学校の生徒さんたちとそのお母様、お父さまの間ではタロウとルーカスに対して「ソフトタッチ」という呼び名で実施しておりました。

ソフトタッチをしている人と馬が、お互いに体内でオキシトシンが分泌されているという科学的検証はしていませんでしたが、呼吸を通じて、手のひらから優しさをタロウとルーカスにしみ込ませるというアプローチです。
タロウとルーカスにオキシトシンが分泌されているか否かという視点ではなく、タロウとルーカスがリラックスしている様子を、ボディランゲージから感じ取るということを実践していました。

子どもたちは、馬体への触れ方、その時の心の在り方、そしてタロウとルーカスの気持ちをどこで読み取るかをすでに体得しています。

体重500Kgのルーカスがこの表情
何をはなしているのかな?
見つめあったあと、ルーカスが後を追う。

親子で、ご夫婦で、もちろんペットとも。 オキシトシンタッチ。 
おすすめです。(^^)

オキシトシンタッチの後は、高学年ペアで、長鞭を使ってタロウとルーカスを走らせる練習も。昨年、タロウくらぶで大塚先生から教わっているので自信満々ですが…あれれ?

タロウもルーカスも… 動かない… のではありません。

もう少し、タロウとルーカスの様子を観察していると、いろいろと気づくはずだから、そのまま観察を続けてみて!という言葉がけから、感じていくものがあります。
子どもたちは、本当に純粋な気持ちで馬に接していくので、気づく感性も高く、言葉のない時間のなかから毎回色々なことを吸収しているように感じます。

本日のお楽しみ♪は、”五平餅”を焼いて食べました~。
アツアツで美味しかったねヽ(^o^)丿。
今、目標に向かって努力中のMちゃんが復帰したら、またやろうね。
火起こしはやっぱり、Mちゃんがいないとさびしいね。

うまい! もう一本!! 満面の笑み~
おかわり続出でした♪

また来週~(^_^)/~。

「里山学校」初の試み!特別企画スペシャル相談フィーカ

2019年1月14日(月・祝)、晴天に恵まれて「大人のための里山学校 」特別企画スペシャル相談フィーカが開催されました。

今回は星山先生を囲んでたっぷりフィーカ!
フィーカとは、スウェーデンの文化で、お茶を飲みながらみんなで語らう「みんなが仲良く暮らしていくために必要な時間」を意味する言葉です 。

セミナーはありませんが、いつもの七色の子どもたちそれぞれの特徴と、それぞれどんな助けが必要か… 星山先生からお話しを伺いながら、参加者の皆様がそれぞれの思いを話し合い、和やかに、そしてホースハーモニーとの共通点を。
お茶をしながらたっぷり時間をかけて、星山先生を囲み、みんなで日ごろの思いや考えを共有する時間でした。

星山先生からある「孤高の天才アクアさん」が、「人とのつながりが希薄だったけれど、1人のセーブパーソン(理解して支えてくれる人)がいてくれたことで、自分はとても生きやすかった。」とおっしゃったとのお話しがありました。

人との関係性が希薄だとかは関係なく、アクアさんに限ったことでもなく、 どの色の子どもたちもみなセーブパーソンを必要としているのではないでしょうか。

それは私たち大人も同じです。
私たちも誰か一人でもセーブパーソンがいてくれたら、どんなに心強いことでしょう。
知らず知らずのうちに、誰かのセーブパーソンになっていたら、それも素敵なことですね。
子育ても仕事も、どんなにかお互い豊かなものになることでしょう。

みんなのセーブパーソン、星山先生

星山先生が長年、七色の子どもたちとそのご家族を見つめ、そこから出る言葉の一つ一つがもたらす信頼感と安心感。
信頼と安らぎの関係性を実際に感じて頂くのは、タロウとルーカスとの交流を通じて。
ホースハーモニーは私たちが言葉で理解するレベルをはるかに超えています。
理解ではなく、まずは感じる体験です。

ルーカスと星山先生
ルーカスは星山先生が大好き♡です


【遊び編】
大人がフィーカをしている横で、子どもたちは段ボールで制作活動!
ネタは前日開催と同じなんですが(-_-;)今日は違ったメンバーです!

みんなの段ボールを見つめる目が
段ボールカッターを持つ手が
本当に真剣です👀。

前日の里山学校Vol.6では、段ボールハウスを作ろうというスタッフの思いは最初から吹っ飛び、いきなり子どもたちの自由な発想で制作が始まりましたので、今回は、最初から子どもたちの発想に委ねました。
何ができあがるんだろう…???

制作の様子を見ると… もう言葉はいりません。

明星大学のお兄さんと真剣に話し合って、親ガメ子ガメ。そして浦島太郎!!
昨日、作ってくれたお友だちのカメさんをカスタマイズです。
家を作っている友だちの横で、思案中の様子。。。
その手前では、何か乗り物らしきものを作っています(^▽^)
だいぶ形になってきたね!丸窓からピースサイン!
笑顔がステキ✨
こちらは猫ちゃんとうさぎちゃん
ちゃんとお名前つけていたね♪
ウルトラマン博士の自信作「ゼットン」。
気分はもうシュワッチ!!
自立させるのに苦労して工夫していました!
段ボール工作が一段落したら、次の遊びにシフト!
階段の上から何かを転がし始めた~💨
兎にも角にも、みんなの楽しそうな表情が本当に印象的!!
こちらは二人で、木の葉っぱから何を感じているのでしょう?
手前にぶら下がっているのは、
「段ボールみのむし君」だそうです。(o^―^o)カワイイー!
お兄さんお姉さんと馬場を走り回る~。
あれれ? 裸足の子もいる!? 1月ですよ~⛄

安全には相互に注意を払いつつも、最小限の働きかけと最大限の見守りの中で、心底自分を開放し、相互に受容しあっている子どもたち。
幼児から小学生、中学生、大学生、大人までの異年齢の交流は、子どもたちの輝きで溢れます。
大人たちは、毎回その開けっぴろげな無邪気な笑顔に吸い込まれてしまいます。


【ホースハーモニー編】
フィーカをやりながら、順番でホースハーモニーを行いました。
今回のテーマも「優しさ」と「今」。

「こんにちは。ひさしぶり。元気だった?」という問いかけに
「はい。また会えて、本当にうれしいです。」と、ルーカス。
人の優しさがしみ込む・・・

タロウやルーカスと、優しさだけで触れ合う経験。
傍から見ると少し地味な光景かもしれません。でもこの時の自分の心の動きと、心の静まり。そしてルーカスのボディランゲージによる応答。
時間的にはとても短いですが、優しい存在になりきって、時間の長さ自体を忘れる体験はいかがでしたか?

ホースハーモニーでは「心が力まない」ことが大切です。
乗馬の世界では、馬に拒絶されたとか、馬鹿にされたとかおっしゃる方がいます。でも、ここでホースハーモニーを体験された方は、馬は人を拒絶したり、馬鹿にすることはなく、自分の心が反映しているだけだということがよくご理解頂けると思います。

最後に…
里山学校に度々参加してくださる中1の女の子から、心温まるプレゼントを頂きました♡。
タロウとルーカスをイメージして描いてきて下さったポスター。

本質をダイレクトに掴んだ表現にびっくりしました。
どうもありがとうございました。

寒いけど心はぽかぽか「大人のための里山学校 Vol.6」

2019年1月13日(日)前日までの雨が止み、お日さまの下で「大人のための里山学校 Vol.6」を開催することが出来ました。

9時過ぎにはすでに到着される方々もおられ、早々とタロウとルーカスを相手に会話が始まっていて、皆さまから愛されているタロウとルーカスの表情を観るのが私たちスタッフの喜びでもあります。

毎回本当にたくさんの出逢いとできごとがあり、お伝えしきれないほどなのですが、今回もざっくり!ではありますが、ご紹介させて頂きます(^▽^)。

【セミナー編】

今回は「ゆっくりおおらかブルー君を中心としたその他の色との関わりについて」のお話でした。途中、何度かそれぞれのカラーの子どもたちへのサポートを話し合いながら星山先生のセミナーが進みました。

本当に寒い1月!ストーブ炊きました!

ホースハーモニーの世界から見えてくる七色の子どもたちの感性。
先入観とか固定観念などからは感じることができない子どもたちの感性。

星山先生のお話しを、ホースハーモニーで例えると、
「ゆっくりおおらかブルー君 」はリンゴを見たとき、食べたとき、そのリンゴの「何」を感じるのか🍎。
色? 色はきっと単純な「赤」ではないはず。
味? 味はきっと単純に「甘い」ではないはず。
ゆっくりおおらかなのはきっと、そのリンゴが浴びたお日さまの量や土の中の栄養分のバランス、もしかしたら、リンゴ農家の方々がリンゴに込めた愛情まで感じているからかもしれません。ゆっくりおおらかだからこそ感じることができること。
タロウとルーカスがリンゴを食べる時は、1個のリンゴが実を結ぶまでの大自然の営みを全身で感じて食べているように見えます。
そうとしか言えない顔をして食べますよ。

私たち大人が、「 ゆっくりおおらかブルー君」が感じていることを表現する言葉をどれだけ持っているでしょう。

ゆっくりおおらかなブルー君だからこそ気づくこと、感じること、他の色の子どもたちの気持ち🌈。

私たち大人が、それを「言葉」で理解しようとするのではなく、ただ「共に感じる」姿勢で共に在る時、ゆっくりおおらかブルー君が見せてくれること全てが、私たち大人を幸せな気持ちにさせてくれるんだな~と改めて感じ入った、そんなセミナーでした。


【遊び編】

さて、続いては子どもたちの遊び編です!
里山学校ではいつも、子どもたちの「!」と「?」が炸裂します。
子どもたちのまなざしは真剣です👀。
今回は、寒いから段ボールでお家でも作って寒さをしのぐべく
「段ボールハウス作り」のつもりで段ボールをたくさん準備しました。⇐これ、大人の考えです(笑)。
ところが、子どもたちはいきなり段ボールをめいめいに運びはじめ…

協力して運べば、どんな段ボールでも運べます。これから作るものに既に心はワクワク!
自主的に協力します。
みんなでたくさんの段ボールを運びながら、もう頭のなかは何を作るか!でいっぱい!
星山ゼミのお兄さんと一緒に。
この日は星山ゼミの4年生が15人も遊びに来てくださったんです!
もしかして、大学生の方が熱中?!
ん? この形… もしかして…
やっぱり馬だぁ!!
みんな大盛り上がり♪

他にも‥‥

気分は… エイブラハム・リンカーン? それともデンマークの英雄ホルガー・ダンスク?
こちらはロボット??
後方にちらっと見えている円盤形のものは「大きなカメさん」でした。

スタッフたちは段ボールハウスをと思っていたのですが…
子どもたちの感性は、もっともっと多様でした。
作るモノも作り方も、すべてが多様でした~。
昼食をはさんで、午後も更にカスタマイズして目一杯楽しんでいました!

【ホースハーモニー編】
ホースハーモニーのテーマは、今回も「優しさ」と「今」。
タロウとルーカスは、人の「優しさ」にとても敏感です。
ご参加いただいた皆さま、感じて頂けましたか?

人の優しさ受けて、リラックスるするルーカス
馬はリラックスすると頭の位置が下がります⤵

タロウとルーカスへの触れ方は、「ソフトタッチ」
手のひらの”触覚受容器”すべてを総動員して、タロウとルーカスの体毛の柔らかさと体温を感じ、心が通じて、そしてタロウとルーカスが人の優しさに応えてくれた時、最初は大きく、圧迫感を感じたタロウとルーカスがありのままの大きさに感じられるようになりましたね。

歩調も息もぴったりです。リードの緩みが相互の心の状態です。
こんなリードの引き方、はじめて見ました! 
後ろの星山ゼミのお姉さん達もニコニコ(*^-^*)。
ルーカスはこの後、きちんと馬場を一周ついていきました。

ここに載せきれない人と馬との優しさの交流。

みなさん、お気づきですか?
静かな、優しさを意識した皆さんの呼吸が、皆さんの存在そのものを優しくしていたことを。
そしてその優しさがタロウとルーカスを癒していたことを。
優しさとは・・・穏やかなこと。温かいこと。静かなこと。柔らかいこと。

一個のリンゴを、ゆっくりとおおらかに感じるブルー君。
ゆっくりとおおらかなことは、静かで温かくて…
自分の中にある「ブルー君」に気づくと、日々の生活がまた少し、優しくなっていくかもしれませんね。

今回も、子どもたちの感性に直接触れて、保護者の皆さま、スタッフ一同ともに心洗われる一日になりました。
ご参加いただいた皆さま。寒い中、本当にありがとうございました。

ホースハーモニー? 番外編
生まれて初めて見た「段ボールホース」にビビって逃げるタロウ!
こっち来ないでー!
葉山ハーモニーガーデン