星とおひさま葉山里山学校のスタッフとして、みんなのセーブパーソンとして、これから一緒に学んでいかれる予定の真鍋さん。 この日も寒いなか、2回目のホースハーモニーのトレーニングにいらしてくださいました。
前回の様子は、【星とおひさま里山学校スタッフ勉強会】Joyful Communication Part-3 に書いたように、ルーカスとの「心のコンタクト」と「リーディング」のグランドワークを通して、 ・伝わることも伝わらないことも、どちらも「コミュニケーション」 ・「いつまでも」繋がっていることよりも、「いつでも」繋がれることが大切 だということを、体験して頂きました。 その気づきの「自信」と、ルーカスとの心の「信頼」が、今回、タロウさんにはどのように活かされるのでしょうか。
①「真鍋さーん、こっちへ来て来て!」と、嬉しくて地面を前搔きするルーカス(犬みたい!🐕) ② 自然体の優しさで、「気」で応える真鍋さんと、安心するルーカス
【ルーカスとタロウさんの個性】 ルーカスは心優しい馬です。 人が「信頼に足る種」であることを良く知っており、タロウさんの個性を受け入れて、尊重するマスターのような馬です。 でもルーカスはその内面にとても激しい一面も秘めています。。(ルーカスの隠れた一面参照)
タロウさんは、長崎県の対州馬と言う日本の在来馬で、現在その数40頭いるかいないかという希少種です(‘ω’)ノ。タロウさんには、腰のあたりからしっぽに向かって鰻線(”まんせん”と読みます)と言う黒い線があり、その鰻線が示すように、野性の血、原種の血が濃い馬です。ルーカスの種類には鰻線はありません。 性格は、自尊心が強く、自立心も旺盛。純粋真っすぐ君。 納得すれば(すれば…です💧)、駆け引きなしに受け入れる。 ですから、ルーカスとジャレても負けていません(。-`ω-)。自分より大きなルーカスに対して、思いっきり後ろ脚で蹴り上げます💨。
後ろでタロウさんのパクパクについて説明を聞く真鍋さんと、そんなことはお構いなしにカメラによってくる無邪気なタロウさん。
最近、噛む行動で欲求不満を表しているタロウさんですが。。。 そんなタロウさんと真鍋さん。どんなホースハーモニーになるのでしょう。
【「警戒」を解く編】
真鍋さん、腰がちょっと引けてます。でも笑顔です(*^_^*)
タロウさんは「ん?なんですか?」って言っただけなのですが💦 やっぱり腰が引けてます💧 誰だって噛まれたくないですから、当たり前の反応ですよね(-_-;)
どうしてもタロウさんの「パクッ」に意識がいく「人」に、タロウさんの動きに振り回されない立ち方を説明します。
タロウさんに振り回されない立ち方を真剣に練習している横で、大あくびのタロウさん(´Д`)。 今日もマイペース全開です💦
タロウさんもルーカスも同じですが、人がどのような「心」と「体」のスタンスに立つかで、その関係性は大きく変わってきます。 馬が人を避けているように見える時、人が馬を避ける時。 その反対に馬が寄ってくるときや、人が寄っていくのを馬が受け入れる場合など様々です。
「心」のスタンスは精度と感度がとても高い「天秤」みたいなもので、その在りようを納得するには、馬よりもまず「自分」を見つめることが必要です👀。 「体」のスタンスは、物理的に練習すれば徐々にその「感じ」を掴むことができます。 「心」と「体」は一体ですから、「体」からアプローチすると結果的に「心」の気づきが得られますし、「心」からアプローチすると結果的に「体」の動きに反映されます。
今回は、タロウさんとの「体」のスタンスの取り方から始めました。 上の写真からわかるように、「人」はタロウさんの動きに対して腰が引けてしまいます。
人は怖い時、後ずさりしますが、それはそれで「心」と「体」が一致していますから、そこに嘘はありません。それはきちんと伝わります。それ、「あり」です。 ただ、「恐い、恐い。」と恐れてばかりいると、両者の間に生まれるのはハーモニーではなく「すきま」です。 「恐い、怖い」が生み出す「すきま」。
真鍋さん、体は引けていますが、顔は笑っています(*^-^*)。 この場合、「人」のボディランゲージは、「恐い」ではなく、予測のつかないタロウさんの動きに対する「警戒心」の表れといった方が適切かもしれません。 ここで、何より素晴らしいのは、こんな状況での真鍋さんの笑顔。 タロウさんの行動に対する「受容性」ではないかと思いました。 タロウさんはそれがしっかりとわかっていますから、「人」のそばを離れていく(分離する)ということはしません。なんとな~くいつもそばにいます。 まず、「人」同士で「警戒」する必要がない状態について考えます。 どうすれば噛まれることに対する「警戒」を解くことができるのか。 それはきわめてシンプルなことでした。・相手を知り、いつでも対応できること。
この日に実践した 「トレーニングその1」 自分のパーソナルスペースに入ってくる「力」をいなす方法。 直線運動で向かってくる馬に対して、回転運動でかわすための足の運び方。 具体的には片方の足を軸足にして、円運動でもう片方の足を引く(腰の回転に足がついていく感じ)練習。
「トレーニングその2」 お互いのパーソナルスペースがない至近距離で、相手の「力」をいなす方法。 お互いに向き合って、1人は相手に真っすぐに「突き」を出し、もう一人は相手の「突き」を、自分の中心線からそらす方法。
どちらも「直線運動」の方向を、「最小限の円運動」でそらすための動きです。 普段から”馬の動き”を観察していると、馬同士の動き方から学ぶことができます。
真鍋さん、やってるうちにリズムが付き始め、緊張が自然にとれて、「最小限の動き」で向かってくる「力」を、遠くからでも近くからでもいなすことができるようになりました。
【グランドワーク編】 人同士で「力の向き」を変えて、いなす方法をトレーニングした後、実際にタロウさん相手にやってみます。 ※ここでのグランドワークは、「いつでも対応できる」ためのトレーニングでした。このグランドワークでの「気づき」が後で「相手」を知ることにつながります。
①パクっ。よっ!!。 ②パクっ。ウワッ! ③パクっ。オォッと ④パクっ。あらよっと♪
さんざん、タロウさんの「パクッ」にあいながらも、なぜかいつも笑っている「人」。 動きも①から④へ、徐々に地に足がついていってるように見えます。
極めつけは、これ! 下の写真を見てください。 真鍋さんはとうとう、小手先のテクニックではなく「奥の手」を使いました!!
①タロウさんのパクっと来る気配を感じて、しっかりと腰を落とし ②フォース(気)で「ハァーッ!」「噛みません!」の先制攻撃! 「うっ💦そう来たかっ!」と、顔をそむけるタロウさん
あまりの効き目に笑う真鍋さんでしたが、この流れ、おそらく「無意識」にやっています(笑)。
すっきり笑顔の「人」と、しっとり落ち着くタロウさん
グランドワークが終わった時の、人と馬の「表情」と「立ち姿」=「心」と「体」のスタンスです。
【ふりかえりを兼ねて質問】 さて質問です(あえて公開しますので、皆さんも考えてみてください) Q1:タロウさんの「パクっ」は、二人の位置関係がどのような時に起こっていますか? Q2:冒頭のタロウさんの性格を考えた時、「パクっ」は何を意味しますか? Q3:この「パクっ」をどのように受け入れますか? やられるままか=放棄(ホースハーモニーにはありません)。 止めさせる=強制(これもホースハーモニーにはありません)。 では、第3の選択肢はあるのか…。それがホースハーモニー! ※ヒント: キーワードは、「共感と解放」、「受容」、「真の謙虚」、「相対と〇〇」、「いつでも」と「いつまでも」。このキーワードは、全部使っても、ひとつ、二つでもいいですよ。
【みんなで考えてみましょう。タロウさんの「パクっ」の意味】 ??人にとっては「好ましくない特性」=この場合「パクっ」すること。 ※「普通」と思っている人にはわからない「少数派」の様々な特性の中のひとつ。 ??「パクっ」しているタロウさんに、「パクっ」の自覚があるのかどうか。 ※自分の「感覚」‥‥みんなそうだと思ってた! でも違ってた! ??タロウさんの目には、前に立つ「人」がどのように見えているのか。 ※そもそも両眼視の見え方と単眼視の見え方という違いがあることすら気づかない両眼視の人間が、単眼視の馬にどんなストレスを与えているか。