【馬と人の関係】わかってるよっ!(2018.11.9)

馬とグランドワークをする時に、たまにあることです。
こちらの指示に対して、馬の反応が期待通りではないこと。

そんな時、無意識に馬に連続して、反復して指示を出し続けるという過ちを犯してしまいます。(よく気を付けないと、必ずやります。わかっていても本当にやります。)
そんな時、「時間」の意識と、「呼吸」がとても大切だということは、
以下の記事で、これまで書いてきたことです。
馬と人の関係 繊細さと柔らかさ、そして静けさ(2018.8.9)
馬と人の関係 共に「在る」ということ(2018.9.18)
馬と人の関係 心はあるけど無言でいること(2018.10.16)

話はすこし逸れますが、人と人が会話をする際に、相手の相槌や反応が0.5秒以内に返らないと、相互に不安になって会話がスムーズにできなくなくなるそうです。(成立しない。)
昔の国際電話で、こちらが「もしもし」と言って、0.5秒以内に返答がないと、また「もしもし」とやってしまいます。
Aさん:「もしもし。」
…0.5秒…
Bさん:「はい。○○です。」
…0.5秒…
コンマ数秒を待てないAさん:「もしもし! もしもし!」
混乱するBさん:「あ、はい。もしもし。○○です… もしもし?」
‥‥
これを相互にやるのですから、タイムラグに慣れるまで会話は成立しません。
今でもテレビでスタジオのニュースキャスターと海外特派員の間でたまにありますね。

0.5秒‥‥。あまりにも短い‥‥。
そんな短い時間で反応しなければ、成立しない人の会話。儚いコミュニケーション。

馬は?

馬は… 
馬にそんな時間を期待していたら、ほとんど人の側が馬に対して「ああしろ、こうしろ」で、はたから見たら、ほぼ人間の独り言状態であり、馬との会話にはなっていません。

では、馬の応答時間は0.5秒より長いのか?

答えは「否」だと思います。
馬は0.05秒でも伝わり、応えてきます。
もしかしたら0.001秒でも伝わり、応えてくるでしょう。
それどころか‥‥ 
0.000000000000000001秒でも伝わり、応えてくるかもしれません。
(10-18「刹那」という単位です。)

本当は…
伝える前から伝わっている‥‥。
伝えようとした時、すでに伝わっている‥‥。
それは共に在るから。

実のところ、人の側の0.5秒という時間があまりにも悠長過ぎて、馬にとっては「なにを言ってるのかわかりません。」というのが本音かもしれません。
もしくはその反対で、あまりにもくどすぎて「わかってるよっ!」かも…

ごめんね。鈍感な私で。m(_ _)m

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