【馬と人の関係】老騎士の涙(2018.7.20)

昔、ヨーロッパのある老騎士が、いよいよ自分の臨終の時期を悟り、甥を呼び、別れを告げたときのこと。

「ああ、今死んでいかねばならぬとは、何たる不運だろう。」

甥は、威厳と謙虚さを兼ね備えた老騎士がほろほろと涙する姿を生まれて初めて目の当たりにしたそうです。

数々の武勲をあげ、国王からの信頼も厚く、多くの人々から尊敬されて、地位と名誉と富を成し、齢96歳まで長生きした叔父の涙の意味が分からない甥に、

「一週間前にやっと乗馬の奥義を究めたばかりなのだよ。」

と、その老騎士は答えたそうです。

「馬と踊ろう(クラウス・フェルディナンド・ヘンプリンク著)監修・発行日本競走馬協会」の冒頭に出てくる物語です。

一生を馬に捧げ、96歳にして乗馬の奥義を知る老騎士。

その老騎士ほどの人物が一生を馬に捧げても、その人生の最後の最後に究められるほど深い世界…無限の世界…

星子友宏先生の馬術動画「馬術の極致」をどれほど見たことか。
パラリンピック5大会連続金メダリストLee Pearsonの乗馬、どれほど見たことか…
ヒトもウマもかぎりなく成長していける懐の深い世界。
ウマとヒトの世界。

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