【馬と人の関係】人の「今」、馬の「今」(2019.1.11)

里山学校でホースハーモニーを体験されたお母様に、 馬は「今」を生きる生き物だというお話をした際に、 その方の息子さんが小学校低学年の時、「お母さん、「今」ってね、「い」って言った瞬間に、それはもう今ではなく、過去になっちゃうんだよね~。」と言ったそうです。

7,8歳の子どもの純粋な感性です。
「今」という「時」を意識しようとするその感性がすごいなぁと感心しました。

「いま」の「い」と言った瞬間は既に過ぎ去った時間。0.1秒前でもすでに過去。
さて、この子の感性は「今」を忘れて生きている大人にはどのように響くのでしょうか。

大人の時間の感覚でそこまでミリミリ気にしたら、「永遠」に「今」を実感として感じることはできなさそうですね。「今」を意識した瞬間はすでに過去。

でも、その子は真剣に「今」というものを掴もうとしているのす。
この子の、「時間のはかなさ」に気づく感性で「今」を感じるとることはもちろん可能です。

でも今回はその子の感性に対して、私からひとつ別な「今」の感じ方のヒントをプレゼント。

「今」…それは「時」であって、「時間」というものではありません。
「時間」は「時計」で計ることできます。でも、「時」はその人の「心」の中にあるものだと思ってみてください。
何かに集中して過ごす1時間と、何もやることがなく、ぼーっと過ごす1時間。
宿題をたっぷりためて残り1週間となった夏休みと、 クリスマスが終わってお年玉を楽しみに待つ1週間。

おなじ1時間でもあっという間の、「もう1時間!」なのか、それとも「まだ1時間」なのか。
「あと1週間しかない」と感じるか、「まだ1週間もあるのかぁ」と感じるか。
考え方、生き方しだいで同じ長さの時間が、長くも短くもなります。

これとは反対に、長くも短くもならない時間のとらえ方があります。
お母さんが作ってくれるカレーを一口食べて、「おいしい~!!」
時間のことはまったく考えずに、ただただ、「おいしい~!!」
それは、「今」食べているおいしいカレーですね。
「お」って言った瞬間、それは過去。なんて考えませんね。
なんて言ったって、お母さんの作ったカレーを食べているのは理屈抜きで 「今」なんですから。

「今」というのは、時計の頭で考えると追いつくことはできません。
いつも「過去の確認」になってしまいます。
するといつも「過去に捕まって」しまいます。
いやなことがあったりすると、それがあたかも「今」起こっているかのような錯覚から抜けることはできません。

でも、「おいしい~!」と感じているひと時、これは「今」だということに気づくと、「おいしい~!」だけでなく、他にも「たのしい~!」も「悲しい…」もなんでも「今」だということが実感としてわかるようになります。
「今」を実感できるようになると、不思議なことがたくさんおこりますよ。
それは「喜び」は「深く」なり、「不安」は「浅く」なるということです。

いつも時計を通した時間と、ルールと物理的な何かに囲まれた生活をしていると、日常生活で、ゆっくりと「今」を実感するのはなかなか難しいですよね。

馬といるとありがたいのは、そんな「縛り」がすっと取れることです。
馬が生きている「今」を通して、「私」が生きている「今」が本当にあるということに気がつくからです。
では、馬が生きている「今」 というものを知るにはどうしたらいいのか。

それは、
1 まず、その時の馬と人のお互いのパーソナルスペースを意識して、そばに一緒にいます。
2 次に、馬の呼吸を感じながら、自分の 呼吸を調えます。。
安静時の呼吸数は、馬は1分間に8~16回くらい。人は成人で12~18回くらい。
3 次に「気」を調えます。馬の「気」を感じながら。
人の心の状態と、馬の心の状態がシンクロする瞬間があり、それはとても嬉しいことなのですが、ホースハーモニーには「その先」があります。(「その先」についてはまた別の機会に書きます。)
4 呼吸と気が落ち着いてくると、「静かさ」がやって来ます。
感覚が研ぎ澄まされてくると、周囲の自然の本当の「ありのまま」がわかりはじめます。
5 「いつでも」この状態になれるという静かな気持ちが「自信」です。「いつまでも」この状態でいるということとは全く違います。

馬が生きている「今」 を通して、「私」が生きている「今」を知ると、「私」が生きている「今」は、じつは「私」が生かされている「今」だという気持ちに繋がっていきます。そして「喜び」は「深く」なり、「不安」は「浅く」なっていきます。

「お母さん、「今」ってね、「い」って言った瞬間に、それはもう今ではなく、過去になっちゃうんだよね~。」と言った子どもさん。
だれでもそこから始まります。「入り口」の存在に気づいた人が言える言葉なのですよ。

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