善玉菌の暫定主役

目次

善玉菌の暫定主役「乳酸菌」
 1 乳酸菌の役割
 2 乳酸菌は腸内細菌の多様性回復スイッチ?
 3 乳酸菌を含む食事に期待できる効果

 

善玉菌の暫定主役、「乳酸菌」

そもそも人の腸管に棲息する腸内細菌は、約1000種類、100兆個。重さにして約1Kg。
この腸内細菌叢(そう)や腸内フローラと呼ばれる腸内細菌のなかで、乳酸菌はどのような位置づけになるのでしょうか。

乳酸菌は自然界のいたるところ、海にも、生き物の体内にも植物の体内にも生息しています。
これまでに約400種類発見されているようですが、今でも新しい乳酸菌が続々と発見されていて、他にもまだまだたくさんの種類が存在すると言われています。

Enterococcus faecalis
Streptococcus mutans
Lactobacillus sp.

(写真:ウィキペディア(Wikipedia)より)

 

 

善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%という腸内細菌の数量的な割合はさておいて、種類の割合で考えると、腸内細菌約1000種類のうちの40%を善玉菌の乳酸菌が占めると理解することもできるでしょうか。

でもそれはちょっと強引かもしれないですね。他の腸内細菌だってどんどん新発見されていくでしょうから。
ただ、腸内細菌の中で、生き物の体にいい働きをする乳酸菌類の占める割合が多そうだということはなんとなくわかります。

そういう意味で、善玉菌の暫定主役を「乳酸菌」ということにしてみます。

 

▶目次に戻る


1 乳酸菌の役割

では、善玉菌の主役、乳酸菌はどんな細菌で、どのような役割を果たしているのでしょうか。

乳酸菌とは、
「代謝」により炭水化物を発酵して、多量の「乳酸」という物質を生産する細菌類を総称したものです。

「代謝」とは、
わかりやすくいうと、生命維持のために、外界から取り入れた栄養素を使って、細胞などが行う合成や化学反応のことをいいます。

「乳酸」とは、
動物は、生きるために必要なエネルギーである「糖」と「脂肪」を細胞レベルで摂っています。
細胞が仕事をするために必要なのですから、糖と脂肪がなければ、体全体の生命システムが停止して、死んでしまいます。

「乳酸」は、糖の代謝途中で生成される物質であり、エネルギーである糖が不足してくると、肝臓で別なエネルギー物質に変身して、血管を通って、数10秒で全身にエネルギーとして行き渡り、生命システムを回復・持続させます。

注:この図はイメージ的に表しています。学術的に理解されたい方は「コリ回路」で検索をすれば、正しい画像が見られます。

生き物が空気を吸えないとすぐに死んでしまうのと同じように、糖もなくなるとすぐに死んでしまいます。

乳酸菌は、糖が不足したときに、そして不足しないように、命を持続させるための「乳酸」を作るという、生き物の命に関わる仕事をしているのです。

 

▶目次に戻る

 



2 乳酸菌は腸内細菌の多様性回復スイッチ??

ここからはまだ仮説です。

腸内環境の大切さは、上の腸内環境の大切さの項で、乳酸菌の大切さは、善玉菌の暫定主役「乳酸菌」の項で述べましたが、乳酸菌をもう少し広い視野で捉えると、面白い発想が浮かんできます。

乳酸菌単体としての効果は、それはもちろんあるのですが、この乳酸菌の振る舞いが他の腸内細菌に影響を及ぼし、他の細菌たちの振る舞いがまた、別の細菌たちに影響を及ぼす。この動的な振る舞いが平衡を保っていれば、人体は健康で、その均衡が崩れると病になる。

腸内細菌叢を、善玉菌だとか悪玉菌などとラベルを貼って分類せずに、腸内細菌叢を、人体という環境の構成要素の1つ、つまり多様な細菌たちが生存している一つの「生態系」として捉え、「動的な平衡」というレンズで、その「多様性の在り方」を見るということ。

乳酸菌が確かに生き物の体に良いけれど、この生態系のなかで、ほとんどの乳酸菌が、役割を果たしながら人体を通過し、排出されていく通過菌であるにもかかわらず、一部の乳酸菌は腸に常在して、他の細菌たちと共生したり、拮抗したりして、腸内環境の恒常性維持に寄与しているということもみえてきます。

体に入る細菌、出る細菌、留まっている細菌たち、腸内細菌叢の全ての細菌たちは、神経伝達物質というメッセージ物質を授受しながら、お互いに助け合ったり、反目したり、他の臓器の仕事を助けたり邪魔したり。

それらを一つ一つ解明していくのは、とても大変ですが、それは今後、環境学の視点でいろいろと見えてくるでしょう。

今、確実に言えることは、

1.生き物が生きている限り、新陳代謝は行われる。

2.新陳代謝から生じる老廃物の蓄積は、腸内細菌叢の多様性を低下させる。

3.腸内細菌叢の多様性を回復させる、有力なスイッチの一つは「乳酸菌」

腸内細菌叢が体を壊す循環として回るか、健康を維持する循環として回るか。
その鍵を握っている要素の一つが「乳酸菌」。

現在、これらの腸内細菌の振る舞いや相互作用、その結果起こるあらゆる病と病からの回復について、医学、生物学、免疫学、他にもあらゆる学術分野で研究が進んでいます。

まだまだわからないことだらけ。

でも、乳酸菌は、腸内細菌の多様性を回復させるための、有力なスイッチの一つであることは確実でしょう。

私たちは乳酸菌を摂るときに、体に良いから摂取するという意識にプラスして、自分の体の中の生態系を健康ループに切り替えるためのスイッチとして摂取するという意識も持ちたいものですね。

▶目次に戻る

3 乳酸菌を含む食事に期待できる効果

個人差や個体差はありますが、これまで寄せられたご所見です。 人間への効果犬や猫などペットへの効果

効果1 免疫力向上 効果3 解毒・消化吸収機能の向上
  • アレルギー症状が軽くなり、回復も早くなった。
  • 風邪を引きにくくなった。
  • インフルエンザにかからなかった。
  • 慢性皮膚炎がなくなった。
  • それまで欠かせなかった強い薬が要らなくなった。
  • 使用頻度が減った。
  • 肌につやが出てきた。
  • おなら、便臭、口臭が無臭化
  • 睡眠の質が向上し、寝付き、目覚めが良くなる。
  • 便の量、形、固さがちょうど良くなった。
効果2 血液浄化機能の向上 効果4 代謝促進、自律神経のバランス正常化
  • 毛髪が柔らかく、フワフワになった。
  • 毛髪のツヤが増した。
  • 寝癖が取れやすくなる。
  • 白髪が減って、毛髪が黒くなってきた。
  • 体毛がモフモフでツヤが出てきた。
  • 脱毛が減り、毛色も濃くなった。
 
  • 睡眠の質が向上、寝付き、目覚めが良くなった。
  • 寒さや暑さがしっかりと感じられるようになった。
  • 性格が穏やかになった。
  • 表情が優しく、良く笑うようになった。
  • 仲間やヒトにじゃれるようになった。

▶目次に戻る

▶腸と乳酸菌のおはなしへ戻る

おしまい。

 

葉山ハーモニーガーデン